THE FRICK COLLECTION
静かな佇まいの美術館
落ち着きのある雰囲気の中で美術品を鑑賞
ニューヨークにはメトロポリタン美術館、MOMA(ニューヨーク近代美術館)を始め数多くの素晴らしい美術館が揃っていますが、規模は大きくないけれど、個人の収集による質の高いコレクションがセントラルパークの近くにあります。その名はフリック・コレクション。
ここはピッツバーグの鉄鋼王ヘンリー・クレイ・フリック氏(1849-1919)のコレクションを氏の邸宅をそのまま美術館に変えて公開展示しているものです。若いときから美術に対する見識が深かったフリック氏は、40年の歳月をかけて美術作品を収集し、自分の死後にコレクションを公開することを望んでいました。夫妻の没後、邸宅として使われていた建物は増改築が行われ、1935年に美術館として蘇りました。
収蔵品はルネッサンス期からロココ、近代に至るまでのヨーロッパの大芸術家たちの手による名画や彫刻、18世紀フランスの家具と陶磁器、リモージュエナメル、その他すぐれた美術工芸品から成り立っています。
邸宅は18世紀のヨーロッパ建築様式を取り入れていますが、内装は決して華美になりすぎず、これらの芸術品が部屋との見事な調和のもとに自然な形で並べられています。よくヨーロッパの貴族の館に見られるような壁面一杯をに絵画で多い尽くすような方法ではなく、あくまで生前のフリック氏がそこで暮らした様子が偲ばれるような形になっています。図書室には創立者のフリック氏自身の肖像画が掛けられ、その正面には氏の使っていたデスクが置かれています。壁面には腰の高さまでの書棚があり、部屋からは美しい庭が望めます。まさに高い美意識を持った氏の生活を垣間見ることが出来るような部屋です。
作品保護のために館内での写真撮影は一切禁止されているので、建物の外からのスナップしかありませんが、ご興味のある方はホームページ(http://www.frick.org
)をご覧下さい。
今回は二度目の訪館でしたが、フェルメールの作品やブロンズ像、大変貴重なリモージュエナメルのコレクションを堪能して来ました。
日本語のオーディオガイド(無料)を聞きながら、1時間あれば一通り見ることが出来ます。時間があったら中庭にある大理石のベンチに座って遠い昔に想いを馳せるのもいいでしょう。緊張感の高いニューヨークの街を歩き疲れた時、20世紀初頭の大富豪の邸宅を訪れしばし安らぎのひと時を過ごしてはいかがでしょうか。






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